『ルー=ガルー』☆
1号です。
今はアニメ業界でプロジェクトや会社ごとに抱える課題の分析と解決方法の提案をしたりして暮らしています。
気が付けば公開日が明日に迫っていたアニメーション映画『ルー=ガルー』。試写会にご招待いただいたので今のうちに感想を。
原作は京極夏彦。アニメーション制作はプロダクションI.G。
近未来、何から何までコンピューターシステムに管理された社会で生きる女の子たちが事件に巻き込まれてゆく……というストーリー。
ハードカバー760ページ分の小説を、99分の映像に収めるのは大変な作業だったんじゃないかなあ。よく頑張ったなあという印象です。
ただ「借りぐらしのアリエッティ」や「宇宙ショーへようこそ」が居並ぶ今年のアニメ映画では質のインフレが起きているので、1800円を出して観てもらうのは……なかなか厳しいのかも。
ところで本作の製作委員会は「キティ・バンダイビジュアル・木下工務店・電通・ミクシィ」という構成になっています。
キティはSCANDALの所属事務所、ミクシィは皆さんご存知のSNS国内最大手。
木下工務店は……こちらの記事が参考になるかと。
キティとしては、映像にSCANDALのプロモビデオ的な役割を果たして欲しい。
現在GREEとモバゲーに激しく追い上げられているミクシィもまた、映画には自サイトのアクセス増を期待していたはずです。
しかし、実際にはSCANDALとの連携もミクシィとの連携もうまくいってない感じがするんですよね。中途半端に連携してしまったことが、ただでさえ尺が足りない作品作りを圧迫してしまったようにも思えました。
見方によっては「pixivなんてやってると狂信的なオタクに襲われちゃうぞ♪」と見えなくもない作品に果たしてミクシィは出資してよかったのでしょうか。余計なお世話ですが、気になります。
最後に声優について。
SCANDALが主役4人を演じて話題づくり……みたいな方法もあったんだろうけど、それはしなかったのは正解だったと思う。(SCANDALはチョイ役で出演)
都築美緒(背の小さい金髪の子)役の井上麻里奈が往年の宮村優子っぽい芝居をしていてドキドキします。
原作:京極夏彦/監督:藤咲淳一/脚本:後藤みどり・ハラダサヤカ/キャラクター原案:箸井地図/キャラクターデザイン・作画監督:石井明治/音響監督:小泉紀介/音楽:SCANDAL/制作:プロダクションI.G・トランス・アーツ/ルー=ガルー製作委員会:キティ・バンダイビジュアル・木下工務店・電通・ミクシィ/配給:東映
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ルー=ガルー 忌避すべき狼 完全版(1) (KCデラックス エッジ)
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