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弁護士残酷物語?

2号です。
いま、うちの事務所にはロースクールの学生が夏休みを利用してエクスターンシップに来ています。

この人たちは来年以降に司法試験を受験して、合格すれば1年間の司法修習を経て、弁護士や裁判官、検察官などの道に進みます。
……言いたいところですが、実はいま、司法試験に合格しても法律家として働けない人が大量に発生しそうになっています

というのも、少し前まで司法試験の合格者は500人とか800人とかだったのに、法曹人口を増やそうとして合格者を急激に増やしたものだから、新しく登録した弁護士を雇える事務所が足りなくなってるのです。
今年は、どうも30%くらいの人が、法律事務所で働けないことになるんじゃないかとも言われてます。

さらに、いままでは、司法修習期間中は研修に専念しなさいということで、給料をもらえてたのですが、今年から給料ではなく貸付けになる予定になってます。
バイトなども禁止されてるから、弁護士になった時点で強制的に300万くらいの借金を背負わされる! そのうえ就職できないとくれば、何が悲しくて難関といわれる司法試験を受けなきゃならないのか分かったもんではありません。

事務所に来ていたエクスターンの人は、「今は試験に受かることしか考えられない」と言っていて、それは受験生としてもっともだとは思います。
ただ酷なことを言うようですが、この状況で、試験に受かりさえすればなんとかなる、というのでは、ちょっと浅はかとのそしりを免れないかもしれません……

司法試験に受かれば、そのあと司法修習はいつでも受けられるようになってますので、借金を負ってでもすぐ弁護士になりたい、という人でなければ、いま司法修習に行くのはやめといたほうがいい気がします。
個人的には、司法修習の希望者が500人くらいに減って、「こんな制度だと誰も法曹なんか目指さないぞ!」ということがはっきりしてくれたほうが、長い目で見たら良いかもしれないようと感じてます。

いま、弁護士たちは各地でこの問題についてデモ行進などを行ってますが、デモよりもストのほうが効くかも??