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大阪地検・証拠改ざん事件の深刻さ


2号です。

最高検、主任検事を証拠隠滅容疑で逮捕 郵便不正事件(朝日ドットコム)
http://www.asahi.com/national/update/0921/TKY201009210362.html

これには驚きました。
というのも、データに限らず、証拠品は検察が押収して保存しておくことができます。
むしろ、データであれば元データを残してコピーだけ取る、という方法を徹底すれば、改ざんの有無を検証可能にできますが、証拠品の場合はそうはいきません。

証拠品を改ざん(なにも付いていないナイフに被害者の血を後から付ける)されてしまうと、関わった人間が証言するのでない限り、後になって突き止めるのは非常に難しいというわけです。
今回は無罪判決だったから、ある意味では司法制度がきちんと機能したと言えなくもないかもしれませんが、否認事件では証拠改ざんから疑わねばならない、という刑事弁護の出発点が、改めて重要だと確認させられました。

ただ、改ざんされた証拠が不自然だとか、他の証拠と合わないといった疑問点があればともかく、表面上に不自然な点がないような改ざんをされてしまうと、裁判所に動いてもらうのは弁護士としてみるとかなり大変なのが現実で、その意味で今回の事件が刑事弁護の根幹を揺るがすものだったことは間違いないでしょう。


もちろん、刑事に限らず民事事件でも、証拠の保存に関しては今まで以上に慎重にならないといけないでしょう。