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ゴキブリコンビナート 第27回公演『おから大好き』/入口で「身の危険を感じたらちゃんと逃げて」と警告される観劇体験。

1号です。
「尊敬するクリエイターは?」と聞かれた時、自分はゴキブリコンビナート主催のDr.エクアドルを挙げるようにしています。


そんなDr.エクアドルの新作がかかる、しかも久々の野外公演ということで観てきました。


ただしゴキブリコンビナート「クサイ!キタナイ!キツイ!キモチワルイ!の4Kカルト・ミュージカル劇団」のため、汚いものグロいものが苦手な方は閲覧をお控えいただいた方がよいかもしれません。

ゴキブリコンビナート『おから大好き』
会場:木場公園 多目的広場内特設会場/期間:2011年12月2日〜3日/作・演出:Dr.エクアドル
注意事項:■演出上何があるかわかりませんので汚れても良い服装・靴・カバンでお越しください。■レインコートの販売はいたしません。ご心配な方はレインコート等持参して下さい。(傘はNG)■お荷物はお預かり出来ません。■会場内撮影は一切禁止でございます。■クレームはお受けいたしかねますのでご了承下さい。

ゴキブログ(劇団ゴキブリコンビナート仮HP)


<Dr.エクアドルより一言>公式ブログより
「密室的なタイニイアリス公演を経て
 ゴキブリコンビナートは再び野外へと繰り出します。
 重機が所狭しと走り回り、
 縦横無尽に野生化した出演者が駆け回る中、
 様々な危険を回避しながら
 観覧するミュージカルの味わいは
 また一味違います。
 五感を研ぎ澄ませ、
 全方向に注意をめぐらしながらご覧下さい。」


ちなみにこのPV、本編とほとんど関係ありませんでした・・・


期待に胸ふくらませ向かった木場公園

なかなか「特設会場」にたどり着けないまま広い公園をさまよい歩く1号の視界にブルーシートで囲まれたテント風の薄汚れた建材のかたまりが見えてきました。

見世物小屋に客演もしてるしさもありなんと思いつつ近付いてみると「まもなく公演がはじまります」というアナウンスが聞こえてきます。

チケットをもぎってもらい、ゴキコン定番の新聞紙を配布されます。配布時にはいつもなら「自分の身は自分で守ってくださいね♪」なのに今回は「身の危険を感じたらちゃんと逃げてくださいね!」だったので嫌な予感に襲われつつ中に入るとテント中央にせり出した正方形の舞台の両脇にロープで区切られた客席。そこに集まった100人前後の観客は、レインコートを着用したり新聞紙を貫頭衣のようにかぶった状態で待っていました。


いやあ、本当に身の危険を感じましたよ。


以前、小池龍之介の講話で「人間は薄められた死の恐怖を快感と感じるようにできている」と聴いたのが走馬灯のように思い出されます。

客席へ降りかかるのは汚物、血糊、パチンコ玉、火花、畳、ベニヤ板、汚水、and more。舞台へ突っ込んでくるクレーンやトラック。渡された新聞紙を盾に逃げ惑う観客。ゴキブリコンビナートは、安全で清潔な都市に飼いならされた我々に絶妙に薄められた死の恐怖を提供してくれたのでした。


上着にベッタリ血糊が付いちゃった人、帰宅中に職質されなかったか人ごとながら心配です。


内容はいつもどおり良く覚えていません。

なんとなく南北朝の末裔が三種の神器を巡ってサイキックバトルを繰り広げていたような気もするのですが、そんなものは連呼される排泄物の俗称によって記憶の彼方に押し流されてしまいました。


最後に残るのは「なんかすごいものを観た。ドキドキした。」という感覚のみ。でもそれで満足です。娯楽なんですから。この公演で1号は間違いなく入場料分の快感を持ち帰らせていただきました。

身体(と命)を張って観客を楽しませてくれた劇団ゴキブリコンビナートの皆さまに感謝と賞賛を送ります。


少し長くなってしまったので、書こうと思っていた「ゴキブリコンビナートが“見世物に対してお金をもらうことの意義”について教えてくれた」は日を改めて書くことにします。