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ラッパ屋 第39回公演『おじクロ』/ももクロの笑顔と歌声で照らし出されたオッサンたちの物語。

1号です。
今年の紅白出場歌手の決定も間近ですね。そんな中、ももクロを演劇化!?と一部で話題の演劇公演『おじクロ』を観てきました。


参考:「ももクロ」がオヤジたちの人生を変える理由――劇作家・鈴木聡インタビュー - トレンド - 日経トレンディネット


この公演、振りコピを見せるのが目的の公演ではなく、きちんと構成された“演劇”です。
1号がサイリウムをカバンにしのばせていたけど、雰囲気的に出せずじまいだったことはここだけのヒミツです。

ラッパ屋 第39回公演『おじクロ』


会場・期間:/東京公演@紀伊國屋ホール(2012年11月8日〜11月18日)、九州公演@北九州芸術劇場中劇場(2012年11月23日)
作・演出:鈴木聡


●ストーリー
舞台は東京下町の小さな町工場。迫る不景気に工場の経営は絶体絶命。そんな時、オッサンたちは決断する。「こんな時だからこそ、俺たちももクロを踊ろうぜ!」


ラッパ屋ホームページ

泣 け た

事前の予想をはるかに超えてよかったです。

舞台上で次々に繰り広げられるのは、暑苦しくももクロの良さを語るオッサンであったり、渋々中野のDVDを見た翌日からモノノフになっていたり、という我々がいつかみた風景。

「流行りものを取り入れて集客しよう」という目的ではなく、作・演出の鈴木聡は本当にももクロが好きで本作を書いたのだなと伝わる公演でした。


1号は、演劇としてウェルメイドなものをきちんと作り上げつつ、2時間かけたももクロへの感謝状」を1人の劇作家として書き上げたのではと感じつつ観ていました。


ラッパ屋の設立は1983年。来年には30周年を迎えようという老舗です。役者陣も40代〜50代が中心です。
固定ファン*1も付いており、そもそも会場は紀伊國屋ホールです。この箱で公演が打てる劇団は、ほんの一握りです。

そんな役者や観客の冷ややかな視線をものともせず(?)、ももクロを題材にしてしまう英断というか暴挙というかには意気に感じざるを得ませんでした。



特に圧巻だったのはクライマックスで、ももクロの代表曲「行くぜ!怪盗少女」を工場のオッサン5人で踊るシーン。


実はこの構成、非常にリスキーです。


劇中、すっかりモノノフと化したオジサンたちは「ももクロのダンスは本当にスゴイんだよ!」「いつも全力なんだよ!」「見てると元気になるんだよ!」と散々語っています。


しかし客席の大多数は「ももクロって最近出てきたAKBみたいなやつでしょ?」状態なわけです。


そんな観客に、オッサン5人が踊る「怪盗少女」のパフォーマンスで、「なるほど、確かに“ももクロ”ってスゴイんだな!」と腑に落ちてもらう……という無理難題に挑んでいるわけです。


ここで失敗すると、芝居全体が上滑りして説得力がなくなってしまう。


でも、おじクロは見事に成功してしまうのです。



イントロがかかった時には「本当にやるんだ……」と失笑まじりだった客席が、側宙からエビ反りジャンプを経て、客席にテープのバズーカが打ち込まれる頃には拍手喝采に変わりました


オッサン5人による怪盗少女は、


真剣さと、

全力さと、

底抜けの笑顔で、

観客を魅了しました。
それは我々モノノフが、ももクロのライブで観る“輝き”と同じものでした。


この芝居の中で描かれていたのは「行くぜ!怪盗少女」の歌詞にある、ももクロの「笑顔と歌声で 世界を照らし出」された世界そのものではなかろうかと1号は思った次第です。



ももクロChan』さん (@momoclochan_ex)も行かれるみたいですね。


東京公演は2012年11月18日(日)まで。
特に中高年モノノフの方には感じ入る部分が多いと思いますので、ご都合の合う方はぜひ。





*1:モノノフっぽい方もいましたが、会場は固定ファンや関係者と思われる方が大半でした。